産後の便秘の原因と会陰切開との関係

 

産後の便秘の原因と会陰切開との関係

会陰切開は、出産時に赤ちゃんが出てきやすいように会陰の一部にメスを入れ広げる処置です。初産の人の約9割が経験するといわれています。切開した部分は、産後に溶けて抜糸の必要のない糸で縫合されることが多いです。この時の傷跡の痛みが数週間から長い人で数ヶ月続きます。

産後の痛みの程度には個人差があります。立ったり座ったり体勢を変える時に痛みが生じる人もいれば、くしゃみの振動やただ黙って座っているだけでも常にジンジンと痛みを感じている人もいます。その中でもっとも会陰部分に痛みが生じやすいのが、排便の時です。

人は便意をもよおすと、脳から便を出すための指令を身体に出します。便を出したり、止めたりする筋肉を肛門括約筋といいます。肛門括約筋は会陰切開した部分にとても近いため、いきもうとするたびに強烈な痛みを伴うことがあります。その結果、いきみきることができずに便を充分押し出す力が弱くなってしまうのです。痛みが怖くて、排便を我慢するようになる人もいます。一度に出す便の量が少なかったり、排便そのものの回数が減ることが原因で、産後に慢性的な便秘になってしまうことがあるのです。

痛みに対する恐怖もそうですが、排便によるいきみで縫合した部分が裂けてしまうのではないか?という不安もあります。実際は排便のいきみで傷口が開くことはほぼありません。しかし痛みを感じる局部が肛門にとても近いために、不安を覚える人が多く、意識的に肛門の筋肉の働きを抑制してしまいます。便秘が続くと、お腹の中に溜まった便はどんどん硬くなっていきます。また、産後は母乳の影響で体内の水分が奪われることも多く、余計に便が硬くなっていきます。便が硬くなると、ますます排便の際の痛みが増し、便秘が新たに便秘の原因を引き起こすという悪循環になってしまいます。